読まなくても大丈夫なまえがき
実写版の『ヲタクに恋は難しい』を見てきました。理由は「まれいたそ」こと内田真礼が出ていて、しかも「ギミー!レボリューション」を劇中で披露するとのことじゃないですか
これがギミーです。知らない人は良い曲なので聞いてみてください
さて「ヲタクに恋は難しい」ですが、自分は原作もアニメも見ていません
正確にいうとアニメは1話を見て、「恋は難しい」なのに一番難しい付き合うまでの過程をすっ飛ばしていきなり始まっとるやんけ!と激怒して以来、ぼんやり見た感じです
ちなみに原作ファンのコメント読みましたが、原作自体その後もあまり「恋は難しい」という感じではないそうですね
声優アイドルオタクとは?????
ここから劇中の内田真礼の描写に絞って実写版『ヲタ恋』について書いていきます(ネタバレありだけどそんなに気にしなくて大丈夫!)
序盤、二藤(山﨑賢人)が同僚の坂元(賀来賢人)に「ドルオタは黙ってろ」みたいなことを言って坂元が
「俺はアイドルオタクじゃなくて、声優アイドルオタクなの!」
と言います
声優アイドルオタクとはなんでしょう
意味はわかりますよ。声優でアイドル的な扱いを受けている人ですね(もちろんまあやお姉さんもその一人)
でも別に彼らは自分が「声優アイドル」だとは思ってないはずです。どこまで言っても「声優」なはずです
それにいうとしたらアイドル声優だと思いますし、少なくとも「俺は声優アイドルオタクなの!」というのは、なんか違和感があります
でもここはまぁ許容範囲なので良いですけど
まれいたそ発音問題
ここもまぁ許容範囲なんですけど、先ほどの坂元は「声優アイドル」である内田真礼のファンという設定です
その時「まれいたそ」が好きというセリフがあるんですけど、坂元の「まれいたそ」のイントネーションが「まれいたそ→」と平板なのです
ぼくが言うなら「ま↑れい↓たそ」になります
文字化するには分かりにくいですが、まれいたそってそんなイントネーションなの?っていう感じです
もしかしたらこのイントネーションが世間的には正しいのかもと思いましたが、内田真礼のライブ前には違和感ない「まれいたそ」の発音を坂元がしてるので、これはミスなんじゃないかなと思うんですけど……(まぁこれはいいや)
真礼のファンはそんなんじゃない
これが内田真礼ファンの坂元です。
いかにもわかりやすい……というか一昔前のオタクという感じの風貌ですが
劇中で内田真礼のファンは全員このピンクのはっぴを着ています
そしてみんなこの格好で集団オタ芸的な踊りを踊ります
いや!内田真礼のファンはこんな格好しねぇよ!
というのは簡単ですが、ここはまだ映画的に意図が分かります(面白いかは置いといて)
この映画はミュージカル映画(一応)なのでオタ芸的なのを見せたかったのでしょう
ただ問題はファンの姿勢です
後半にアイドルフェスみたいなイベントに行き、内田真礼が「ギミー!」を歌う展開があります
このアイドルフェスですが、おそらく対抗戦ではないけど、それぞれの推しのアイドルを盛り上げるために、ファンがライブ前に「声出し頑張ろう」みたいな展開になります
この時、内田真礼が2番目に出るといって、最初に他の「声優アイドル」が出てきます
そしてステージの引きの絵になった時、内田真礼のファンである「ピンクのはっぴ軍団」は歌を聴きながら、サイリウムを振っていないことがわかります
いわゆるフェスの地蔵状態です
そして次に内田真礼が登場!「ギミー!レボリューション」を歌ってくれます
もちろんこの時「ピンクのはっぴ軍団」はサイリウムを振ってますが、最初に出ていた「声優アイドル」のファンもちゃんとサイリウムを振っています
つまりどういうことかというと……
まれいたそのファンは他の声優がライブをしている時は応援しないという描写になっているのです
アニサマなどを見てもわかるように、複数の声優が出ていても自分の推しの時だけサイリウムを振るなんてファンはいない!
百歩譲ってそういう人がいたとしても、フェスの最初に出てきた「声優アイドル」のファンはちゃんと振ってるのに、何故内田真礼のファンだけそのような扱いにするのか?????????????(このあと?が永遠に続く)
しかし問題はさらに続きます
いや失礼だろ!!!
まあやお姉さんも怒っています
ここから映画のがっつりネタバレになります
二藤が成海(高畑充希)から「声優の梶裕貴さんのイベント行こうよ」みたいに誘われます(ちなみにここの台詞もおかしいと思うけど細かいので端折る)
その時に二藤が梶くんのことを知らなかったので、彼女の趣味を知るためにアニメにハマるみたいな展開があるのです
それで職場の同僚の坂元にまあやお姉さんのライブに連れてってもらって
部屋でも神崎蘭子のTシャツを着るほどになります
そして終盤で、先ほど言っていたまあやお姉さんが出演するフェスがあり、これも先ほど言った通り最初ファンは地蔵状態なので二藤も地蔵状態です
そしてまあやお姉さんのライブが始まりますが、この時も二藤は地蔵!
そしてあろうことか、「ギミー!」のサビ前に二藤は帰り出すのです!!!!
この時の坂元はこんな感じです
僕も映画館の暗闇の中、こんな感じでした
いや失礼だろ!!!!!!!
映画の展開的には意味がわかります
成海が好きなアニメの世界に触れることで、成海のことを理解しようとしたけど、なんかちょっと噛み合わなくて悩んで帰っちゃう的な葛藤です
まぁこの辺の葛藤もふわっとしてるんですが、その通りなので
とにかく話の展開のために、まあやお姉さんは利用されたんですよ!しかも地蔵状態でライブの途中で帰るっていう失礼なことをされて!
しかもオタクの多様性も描いている(はずの)本作において明らかにバカにしているような描写にしか見えません
一番の問題点は内田真礼本人という設定にしたこと
本作はマリカーとかは出てきますが、基本的に実際の作品をそれだと言及する描写は少ないです
象徴的なのは、エンディングで流れる「残酷な天使のテーゼ……じゃない」みたいな曲です
明らかに「残酷な天使のテーゼ」ですが、ちょっと違うという歌詞と編曲で遊びを入れるという感じです
他にも成海が渋谷で踊るミュージカルシーンがありますが、これは明らかに「ラブライブ」のコスプレだなと分かります
ガストですら「グスト」とされている本作でほぼ唯一本人(本物)として登場し、言及されるのが内田真礼という存在です
本人という設定にすることで、問題なのはこれまであげた要素が本当だと受け取られる可能性があるということですよ
だから内田真礼という「声優アイドル」のファンはピンクのはっぴを着ていて、集団でオタ芸みたいなことをして、他の「声優アイドル」の時は地蔵になるという受け取られ方です
少しでもそういうカルチャーに造詣がある人なら映画の演出だと分かると思いますが、残念ながらこの映画は東宝のメジャー映画で
ニコ動のコメントのようなものを画面に流せば、オタクを描いていると思っている製作者とそれが面白いと受け取る観客が主の対象になっている映画なのです
まあやお姉さんも嬉しいのは本当だろうけど、含みのある言い方してますよね
僕だって例えば小倉唯がこういう感じに描かれてたら、小倉唯のファンやライブはこんな感じなのか?って多少思うもん
何故なら本人役だからです。何回も言うけど
せっかくわざわざ「恋の発熱」という確かに内田真礼が歌ってそうな曲まで作ったんだから、知らんけど「田内まれい」とかの架空の「声優アイドル」という設定にすればなんの問題もなかったのに
なぜわざわざここだけ本人設定にした??????(このあと?が冥王星まで続く)
さらにたちが悪いのが自称「まれいたそ→」ファンの坂元が映画オリジナルキャラなんですよね
あと真偽のほどは知りませんがまあやお姉さん本人が「まれいたそ」って呼び方をどう思ってんのかも含めて(本人のTwitterのアカウントはmaaya_tasoだ)
なんか色々とまあやお姉さんに失礼なんだよこの映画!
あとがき
でも激怒するほどじゃないのも確かです。何故なら他の要素も適当にパロディで作ってる感が満載だからです
だから余計に本人役で出したのが、意味わかんないんだよな〜
その界隈での話題性と内田真礼のファンを釣るっていうだけの目的なのか……
まんまと釣られた……??