突如として始まったみんな大好き「走れ!ウサム」のウサムとニャンニャンがラブコメ映画を語っていくシリーズ。最初は手探りなのでスタイルが固まるまで長い目で見ていただきたい。完全にジェーン・スー×高橋芳朗『新しい出会いなんて期待できないんだから、誰かの恋観てリハビリするしかない』のパクリだが、この本に載ってる映画を見ていくというコンセプトなのでセーフとしようではないか。
ウサム「ずっと気になってた映画だけど、ラブコメで135分って長すぎだろと思ってずっと見てなかった」
ニャンニャン「面白かったね。見てる間はあんまり長く感じなかったな。アイリス(ケイト・ブランシェット)とアマンダ(キャメロン・ディアス)の2つのストーリーがあるからね」
ウサム「最初のアイリスのモノローグとクリスマスパーティーのくだりで一気に引き込まれたわ。絶対に叶わないって分かってるのに、惹かれちゃうんだよね…(涙)チラッ」
ニャンニャン「なに?……単純に住んでる家交換して旅行って面白そうだし、アマンダの家がめっちゃ豪邸だったね!」
ウサム「でも一方がめちゃくちゃ貧乏だったらどうなるんだろうって考えちゃったよ。格差社会がテーマになっちゃう」
ニャンニャン「現実に戻さないで。アメリカとイギリスで交換ってのも良いね。よく考えたらアイリスとアマンダ両方仕事では割と成功してるよね」
ウサム「でもアイリスは仕事ができるからこそ男に都合の良いように使われちゃって……かわいそうだった。でも好きだから仕方ないんだけど」
ニャンニャン「アマンダは映画のティザーの制作者だから脳内で予告が流れるのが面白かった」
ウサム「あの声で再生される感じね」
ニャンニャン「てかグレアム(ジュード・ロウ)イケメンすぎでしょ!男が周りにいないのが条件とか言っときながらアマンダ即落ちだったのが笑えた。でも無理ないね」
ウサム「アマンダがやっと解放された!と思ってお一人様を楽しむけど、どこまでも孤独なのがよく伝わる演出も良かった」
ニャンニャン「そこにあんなの来たらさぁ……」
ウサム「ジュード・ロウがまだ正統派イケメンしてる時代の映画だね。ジュード・ロウってこの後、逮捕されたり私生活で問題あったり、禿げあがっちゃたりして、キャリア低迷してたイメージだけど、フィルモグラフィー見ると割とずっと良い映画に出てる。今じゃ1周回ってまたイケメンの役やってるね。ダンブルドアなんてめちゃくちゃかっこいいし」
ニャンニャン「しかもこの映画でグレアムって実は遊び人なんじゃないかと思わせといて、好感度高い要素しか出てこないっていう」
ウサム「その辺もアイリスと対比にもなってるね。アイリスの周りは悪い男、悪女に惹かれるやつしか出てこない。あれもよくわかるなー。マイルズ(ジャックブラック)が傷つけられると分かってても好きになっちゃうみたいなこと言ってたし(涙)チラッ」
ニャンニャン「さっきからなんなの? でもアイリス側のエピソードは恋愛よりイーライ・ウォラック演じる伝説のハリウッド脚本家アーサーとの交流エピソードが中心。今気づいたけど、老人に感化されて生き生きとしていく展開は同じナンシーマイヤーズの『マイ・インターン』にもつながる要素じゃん」
ウサム「確かに。アイリスは周りの人とのつながりを大切にするすげぇ良い人だよね。よく考えたらこれ家交換してなかったらアーサーはもうろく爺さんで終わりだったんだよ!」
ニャンニャン「さっきからめちゃくちゃアイリスに感情移入してるね……アマンダが悪いわけじゃないけど、映画業界に身を置いてるアマンダは気づかなくてアイリスは気づいたってのも皮肉だった」
ウサム「あとジャックブラックが落ち着いた三枚目で良かった。レンタルビデオ店でデートとかも今後はノスタルジーになっちゃうのかな。そういえばダスティン・ホフマンが謎のカメオ出演してて笑った」
ニャンニャン「なんかアマンダはクソ男を断ち切って自分の意思で生きるって方がゴールになってた気がする。ジャックブラックはおまけっぽい」
ウサム「おまけがジャックブラックなんて最高じゃないか!でも2人ともコミュ力高いよね。2週間限定で全く知らない土地だから出来たのかなーと思ったけど」
ニャンニャン「ニャンニャンはあれぐらいできるけど」
ウサム「ニャンニャンはできそう……」
ニャンニャン「クリスマス映画ってことを考えれば、この体験はまさに奇蹟みたいなプレゼントだったってことか!プレゼント交換ならぬ家交換!」
ウサム「環境変えても結局周りの人を愛そうって着地で良い映画だった。だから僕もニャンニャンを愛すよ」
ニャンニャン「は?」
登場動物