はじめに
11月17日のビヨスパイを見てきた。ここではざっくりとしたレポートを記したいと思う。ちなみにネタバレ全開なのでこれから何も情報を知らないで見たい方は見ない方がいいだろう。まぁでも映画もそうであるように、ネタバレしてても楽しめることは楽しめるので気にしない方はどうぞ(ちなみに大阪公演が2023年11月23日(木)~11月26日(日)、Blu-rayが来春発売されるらしいぞ!)
ストーリー
未来都市日本、国は東京の真ん中から、東と西に分かれて対峙していた。「今夜7時までにこのアタッシュケースを届けろ!」ミッションは、無事クリアできるのか!?アクション満載!アタッシュケース争奪戦!!
パンフレットより
主役はりか様?
(※メンバーの名前は全員敬称略)
今回驚いたのはてっきり主役はメインヴィジュアルから島倉りか(りか様)だと思っていたが、主役という主役がいないことだ。メンバー全員に見せ場が用意されている。それが本作最大の見どころだろう。
例えば小林萌花(ほのぴ)は初っ端から設定を説明してくれる語り手として登場する。「アラビヨーンズナイト」の時は音効さん役ということでほぼセリフがなかったことを考えると、ほのぴから始まるのか!という驚きがあった。
一応りか様演じるウェディングプランナーの「ミカ」がブラックな職場から更に無職になり飲んだくれていたところ、視力がマサイ族並(いや以上か)に良いという特殊能力を買われて、スパイにリクルートされるというのが発端で、最後はスパイになって終わるという話なのでミカが主役っちゃ主役の話である。
また前半はほぼミカの独断場で「眠れる森のビヨ」のようなキャラではなく「恋のおスウィング」で見せたようなりか様が堪能できる。
だが何も知らないミカがスパイ工作に巻き込まれていく前半が終わり、本題であるアタッシュケースの行方に話が移っていくとミカの出番はほとんどなくなっていき、逆に他のメンバーに見所がたくさん用意されている作りになっている。
後半はアタッシュケースの中に入っていたという「イッチの涙(?)」と呼ばれる宝石及び東側のスパイが西側にいる東のスパイ(二重スパイ)にアタッシュケースを渡すというのがミッションになり、それが誰なのか、そして何が目的なのかがクライマックスになってくる。
真の主役は誰だ?
東(軍国主義)のスパイチームはレン(平井美葉)、マコ(里吉うたの)、ハルカ(江口紗耶)の3人。
レンはチームのリーダー的なポジションでクライマックスではさすが平井美葉ちゃんという見せ場があり、観客の涙を誘う(俺も泣いた)。
マコは劇中で重要なモチーフになっているマンゴーパフェが食べたいという歌を歌う見せ場があり、ハルカというか江口紗耶ちゃんは背も高く手足も長いのでアクションがとにかく舞台映えする。
金髪で演じていたこともあり、ハリウッドの女性アクションものに出てきそうな出立ちだった。今すぐハリウッドデビューしよう。
一方西のスパイチームはリョウ(前田こころ)、リサ(高瀬くるみ)、ユキ(西田汐里)にミカが加わるという構成。
リョウがリーダー的な存在でこちらもさすが前ここという感じで、ハルカと中佐(汐月しゅう)、そしてリョウはとにかく舞台映えがすごい。
リサはやはりビヨの中だとくるみんしか出来ないような役で、ユキにもクライマックスで見せ場が用意されている。あと単純に西ちゃんがかわいい。(一緒に行った友達は走り方がかわいいと言っていた)
そしてアタッシュケースは東西だけでなく、清野桃々姫演じる「ケイ」とほのぴがなんと一人男女二役演じる「メグ」の兄妹、そして世界的マジシャンのMr.ショウ(山﨑夢羽)、そのマネージャーの一条(一岡玲奈)のチーム、この四つ巴で行われる。
ケイはオリバーツイストのような感じで、なおかつヤクザの下っ端や今でいう受け子みたいな役割を演じ、メグは兄に道を踏み外して欲しくない妹を好演している。ある意味でこの市井に人である兄妹が主役といえるかもしれない。
おっとここに入っていない岡村美波はどうしたのかというと、限りなくみいみのようなマンゴーパフェを提供するカフェ店員ナナミ役で登場。このみいみも市井の人で思わぬ幸運が舞い込む。だがその幸運がまさかの東西対立、そしてこの劇の肝となっていくので葛藤するという役になっている。
そして今回の「ビヨスパイ」は主役がいないと書いたが、本作で一番美味しい役でなおかつ裏の主役と言えるのがMr.ショウである。
男役がやりたかったという夢羽(呼び捨て)がノリノリでアドリブも多いという役を演じ、中盤には小休憩のような感じで客席にマジックをしかけるやりとりもある(ちなみにマネージャーに一条いっちゃんもこの時に登場していたようだが、17日は体調不良だったらしくMr.ショウだけが出ていた)
Mr.ショウは一億円ものギャラをもらうマジックショーの最後に東と西を分けている東京タワーを消すというマジックを見せる。
理屈は分からないが、ただ照明を消すというわけではなく、東京タワーそのものを消すという。
ラストで東西を隔てる東京タワーが予告通り消える。
アイドルだからこそ綺麗事にも思えるまっすぐなメッセージが響くし、説得力がある。それにエンターテイメントはそういった対立を解決できるのかもしれないというメッセージも込められているのだ。
ぼんやりしたあとがき
アフタートークはみいみがMC。いっちゃんが体調不良で大事をとって代わりに桃々姫が出ていた。質問が2問で苦労したところ?と普段でもやってしまうところみたいな感じだった気が……。夢羽は男役がやりたかったからノリノリで出来て、とにかく楽しいと言っていた。それで挨拶とかもMr.ショウがキザに決める感じでやってしまうって内容だった。桃々姫は確か足を開いて座るって言ってたような。ほのぴが喋るのが普段遅いから桃々姫と役作りで相談して話す速さを2倍にしてるとかそんな感じだった。みいみはなんか普通の女の子だからどうとかこうとか言ってたような……
演劇女子部「ビヨスパイ~消えたアタッシュケース~」
●脚本:渡辺千穂
●演出:西森英行(InnocentSphere)
●プロデューサー:丹羽多聞アンドリウ(BS-TBS)
●音楽:和田俊輔 ●振付:YOSHIKO
●出演:BEYOOOOONDS・汐月しゅう 他(アンサンブル)